Siggraph2012関連の雑記

夏休みももう終わりに差し掛かっています。
みなさま夏休みは十分休めたでしょうか。
そうでない方もいると思いますが、ちゃんと休めた方も多かったと願いたいです。

早いもので、もう既に少し古い話題になりますが、今月上旬にLAでSiggraph2012が開催されていました。
CG屋的にはオリンピックかSiggraphかという勢いだったわけですが(?)、
今年もあれこれ面白い発表があったようです。

今年のSiggraphで発表された、個人的に気になるあれこれは以下のとおりです。

  • Houdini大幅値下げ
  • Naiad、Autodeskに買収されるの巻
  • OpenVDB発表
  • TeamUpがMulti-Opticsを発表
  • 3ds Maxにエクステンションでパーティクル強化※

Naiadは厳密にはSiggraph期間中ではないのですが、
Siggraph後すぐということで含めちゃいました。
いやーぶっとびましたね。

では上から順に見ていきます。


SESI(Side Effectsのこと)はHoudiniの価格改定と共に、H12.1、Orboltの発表を行いました。
また同時に名称の変更が行われ、Houdini MasterはHoudini FXに、Houdini EscapeはHoudiniに、それぞれ変更されました。
価格に関してはHoudini FXが$4,495で50%、Houdiniが$1,995で35%の値下げとなりました。
日本ではIndyzoneさんが引き続き販売を行なっており、こちらでも同様に値下げされています
こうなってくるとMayaとかMaxとほぼ同等の価格ですからね、これを機に是非ユーザ増えて欲しいなと思う次第です。

またOrboltに関して、こちらUnityのAsset Storeなどに近いもののようで、
ユーザが作成したDigital Assetなどを販売したりすることも出来るようです。
現在既にSESIが出したものではないアセットも数点見受けられます。
まだまだ十分な数のアセットがあるとは思えませんが、今後ユーザが増えるに連れてここが発展していくと
他のツールには存在しなかった面白いコミュニティが生まれるのではないかと期待しています。

これらの発表があった際Twitterを眺めていたら、
かなりの人数の方が、Houdiniやるぜ!だったり、興味ある!だったり、会社に言って買ってもらおう!だったり、
ポジティブな反応を示されていたように思います。
是非皆様積極的に導入をお願いします!!:D

余談ですが弊社FX Supにも「Houdini半額ですよ!!!!!!!!」と伝えたところ、
かなり乗り気で次はHoudini一本でいけるかもなー、なんて言ってくれました。
こんな反応は初めてですよ、初めて!

皆様の積極的なHoudiniの利用に期待しています:)

 
次。
NaiadがAutodeskに買収されました。
リリースの直前にcgtalkなどでNaiadが買われたとの噂が出回ったのですが、驚いたことに本当の話でした。
Exotic Matter社がまるごと買われたのではないようですが、
主要開発者のお二人(Marcus氏、Robert氏)はAutodesk入りされたようです。
(Robert氏に関しては大学での仕事も継続されるとのことです。)

本来ならば、Maya(Max、SI)にNaiadのソルバがつくのか!!みたいな
ポジティブな反応があっても良いはずなのですが、ほとんどの声はネガティブなものでした。
過去のAutodeskの買収に関してポジティブに思っている人はあまり多くないということを表しているのでしょう。

Naiadのソルバは非常に優秀ですし、開発者もまたCG映像の流体分野では間違いなく第一人者の方々です。
とてつもなく大きな会社なので社内政治などもあるのでしょうが、
くだらない理由で優秀なソフトウェアを殺すことのないよう、一ユーザとして強くお願いしたいです。

この先の個人的に最高なシナリオはMayaにICEが乗っかって、その上で動くFluidエンジンは全部Naiadベース!ですかねw
Naiadは0.6.1でgas solverも刷新(?)されていたようで、今後の動向にも非常に期待していたのですが、
今後はAutodeskの采配に期待します。

忘れてましたが今後はNaiadの技術をAutodeskのソフトウェアに取り込んでいくとした上で、
Standalone版Naiadの販売は終了ということになったようです。
今後大規模流体を扱うプロジェクトをお考えの方はご注意ください。

 
次はつい先日書いたOpenVDBの話です。
最初の発表の直後にサイトが正式オープンして、ソースの公開などが行われました。
前のポストを投稿した時点ではまだ発表がなかったのですが、
OpenVDBがHoudiniにインテグレートされることがアナウンスされました。
これもやはり最初の発表の直後でした。仕事が早いぜSESIさん。素晴らしい。

Houdini用のツールは既にサイトでソースが公開され、自分でビルドして使用できるようになっている模様です。
僕も近々ビルドして触ってみたいなーと思います。
DWAさん超GJ。

OpenVDBは僕が思っていたよりもかなり強力なライブラリのようで、
今後のボリュームデータ事情は割と大きく一変してしまうのでは、とも考えられます。
H13ではPyroなどのボリュームデータもOpenVDBベースになったら素晴らしいですね:D
期待してます。

 
さて次。
TeamUpがようやく自社製品(?)のMulti-Opticsを発表しました。
TeamUpのことはご存知ない方も多いと思われますが、Lagoa開発者のThiago CostaさんがCEOを務める会社です。

Multi-Opticsは直接プロダクト名なのか、フレームワークなどのもっと大枠での名称なのかまだいまいちわかりませんが、
一応レンダラということでOKだと思います。

ただし今まで存在していたようなレンダラとは大きく違い、これはクラウドベースのレンダラになります。
つまり、自分のマシンで計算をしないレンダラということです。
ユーザは自分のPCからでも、iPadやその他タブレット、またはiPhoneやAndroid携帯からでも操作することが出来ます。

TeamUpは優れた製品を開発しそれを販売するだけでなく、新たな仕事のスタイルを提案しようとしているように見えます。
WEBでも見ることが出来るように、クライアントやチームメンバーとの
リアルタイムでのコラボレーションだったりなどがそれに当たると思われます。

クラウドでレンダリングを行うという事は、大量のデータをオンライン上にUPしないといけないわけです。
なので今すぐに映像制作に適したものなのかと言われると少し疑問も残りますが、
そんな問題はTeamUp側でも既に考えていることでしょうから、ひとまず気にしないことにします:P

料金体系などまだ明らかにはなっていませんが、レンダーサーバもライセンスも持つ必要がない点は
特に小規模なスタジオなどには非常にうれしいものでしょうし、個人的にもとても興味深いです。

今後の展開にも期待したいと思います。

現在サイトでベータテスターを募集されているようなので、興味ある方は是非試してみてください。

 
で最後。
3dsMax2013のExtensionが発表になり、PFlowの機能拡張が行われることになりました。
具体的には以下を参照ください。
Autodesk 3ds Max 2013 Extension

内容を見ると、具体的にそう書いてあるわけではありませんが、これまでプラグインとして提供されてきた
ParticleFlowToolBox #2、及び#3をそのままくっつけます、というもののようです。

これはPFlow的には結構でかくてですね、PFlowでリジッドボディ計算(Box2)と
サブオペレータでのパーティクルの制御(Box3)が行えることになります。

特にBox3の存在はデカいです。相当良いツールですBox3。
PFlow単体ではスクリプトオペレータなどを使わないと実現出来なかった難しい表現も
Box3があればコードを書く必要はありません。
Maya的に言えば、Particle Expressionがノードベースで書けるようになった、って感じでしょうか。
Houdini的にはPOP VOPが使えるようになった、です。

正直扱いの難しいソフトではあります。
最初にいじる際にはどこいじっていいのかわからないクセの強さもあります。
数学的な知識も要求されます。
しかし慣れてしまえばなんのその。無くてはならないツールに早変わりです。

Box3はスクリプトオペレータでスクリプト書くよりも格段に速いそうで(弊社Max使い・談)、
スクリプトであれこれやってる方にも是非試していただきたいと思います。

今ならTPあるじゃん、って声もあるのですが、
Box3の方が直接パーティクルをいじっている感覚に近いようです。
例えばvelocityはこの値で、とかrandomでageをどうのこうの、だとか直接数値をいじることが多いようです。
一方のTPを僕が使ったことが無いのでなんとも、なのですが、
TPで同様のことをやるよりも簡単に行えるようでした。

なので会社のMax使いの先輩の言葉を借りるのであれば、Box3は粒々最強、です。

これはPFlowの性質とも絡んでくるのですが、
PFlowは表示を1%だけにして膨大な量のパーティクルを出すとかそういうことが非常にしやすいので、
Box3でノイズかけたりあれこれいじってKrakatoaに流しこむ、とかみたいな用途ではかなり力を発揮してくれるようです。

TPはもうちょいリジッドボディとかいじる時に力を発揮してくれる印象があります。
もちろん使った事無いのでただの偏見かもしれませんが、量を扱う際には上記の点からPFlowの方が優れているようです。

ちなみにBox3に関してはユーザも少ないからかリソースも殆どありません。
なので今度機会があればintroduction的なものでもまとめてみたいと思います。
僕自身ほんの序の口程度の知識しか持っていませんが、ないよりはいいでしょうw
今後Maxを積極的に使う用事も無いので知識をこのまま眠らせておくのももったいないですし。

ただ会社のマシンのOSが新しくなってからにライセンス設定してもらってなかった気もするので、
可能だったら、ということにさせてください:P
ダメだったら先輩方に代わりにお願いすることにしますm(__)m

で、これだけ煽った後で何ですが、
今回このExtensionが使用できるのはEntertainment Creation Suiteのユーザだけとなります。
単体のMaxを持っているだけではこのExtensionは使用出来ませんのでご注意ください。

Maxユーザとしてはガッカリ極まりないですよね。

せっかくの良いツールなんですし、次のバージョンでは
是非Maxに標準搭載ということでご検討頂きたいです。<Autodeskさん

 
というわけで、
今年のSiggraphもエフェクト的観点からはちょいちょい面白い事になってきたぞ、という印象です。
Houdiniだけでなく、Maxの話題もありましたし、Mayaは静かでしたが、それでもNaiadのことは大事件すぎます。
今後のAutodeskの展開には期待したいところです。ほんとにNaiadを潰さないようにだけ、是非。

 
じゃあの

「Siggraph2012関連の雑記」への3件のフィードバック

  1. Houdini FX、半額はいいのですが、保守契約料が値上がりしているようなので維持費がかさみそうです。金額だけなら3年間アップグレードしないなら3年おきに買い足すのとおなじかも。(Autodesk製品ならそれもアリなのですがSESIなら保守契約をした方がいいように見えるのが不思議です)

    maxのPFlowの拡張はさすがAutodeskという感じですね。自分の会社ではコストがかかるからサブスクリプションの加入もやめmax単体購入にすることになりました。Entertainment Creation Suiteも購入することはないと思うのでTPを1本購入することになりそうです。アニメCGメインの会社だとmax本体(サブスクなし)+プラグインの方がコストパフォーマンスがいいように思えます。

    しかしHoudini FXだとmaxの拡張機能みたいな名前なのでなんかびみょーです。
    Houdini Masterの方がかっこよかった気がします。

  2. 今回このExtensionが使用できるのはEntertainment Creation Suiteのユーザだけとなります。
    単体のMaxを持っているだけではこのExtensionは使用出来ませんのでご注意ください。

    大切な事なのでもう一度言います。

    今回このExtensionが使用できるのはEntertainment Creation Suiteのユーザだけとなります。
    単体のMaxを持っているだけではこのExtensionは使用出来ませんのでご注意ください。

    爆発しろ!!

  3. >higaさん
    僕の記憶が正しければ、Houdiniの保守料は値下がりしています。
    以前はFloatingの場合で$3000以上だったような気がしています。
    えらく高いですねーなんて話を同僚とした記憶もありますし、多分。
    なので今回のは純粋に値下げとして捉えてしまって問題ないと思います:)
     
    PFlowに関しては笑いましたw
    おお!ついにやったかAutodesk!!と思いきやよく見ると、アレ?っていうw
    こんな感じならMax使いはおとなしくTP使っておけばおk、って感じなので残念です。
    Box2は使った事無いのでともかく、3はすげーいいツールなので勿体無いです:S
     
    HoudiniはたしかにMasterのがかっこよかったですねーw
    まぁでもこれからしばらくしたら慣れちゃうでしょうし、気にしないことにしますw
     
    >すちさん
    ほんとにガッカリ極まりないですよねw 残念です。
    次のバージョンに期待したいところですねー。

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